アンティークコインとは、製造から100年以上の年月が経った古銭のことを言います。洗礼されたデザインやその歴史背景などから、コレクション品としての魅力も高いのですが、その希少価値から、最近では値段が高騰しているアンティークコインも多く、資産をアンティークコインに換えるという、アンティークコイン投資も数少ない人が始めています。
今回は、非常に魅力がたっぷりなアンティークコインの概要と、入手方法やアンティークコイン投資についてご説明していきたいと思います。
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アンティークコインとは?
それでは、さっそくアンティークコインがどのようなものかをご説明していきたいと思います。
アンティークとは?
アンティークコインとは、その名の通り、アンティークもののコインですね。アンティークとはフランス語で骨董品を意味しますが、1934年にアメリカの関税法で決められた内容で、「100年以上を経過した工芸品や美術品」と、定義されました。
このことから、アンティークコインは、「製造から100年以上経ったコイン」のことを言います。ただ、これは厳密に決められてはいないようで、製造から100年が経過していないコインでも、アンティークコインと名高いコインは多く存在します。
コインの歴史
それでは、コインの歴史についても簡単に勉強しておきましょう。
〇エレクトラムコイン

現在、世界で最古のコインと言われているのが「エレクトラムコイン(エレクトロン貨)」です。エレクトラムコインは、なんと今から2700年以上前の紀元前700年後半にリディア(現在のトルコの西側)で発明されていました。
上記の写真のようなコインがエレクトラムコインですが、さらにすごいところがこの時からすでに品質の保証や偽造防止のための極印(写真の右)が押されていたということです。
人気のアンティークコイン
このような、3000年近くの歴史を持つコインですが、その中で美しさや希少価値、歴史的背景から人気が高いアンティークコインがあります。こちらでは、人気のアンティークコインをいくつかご紹介していきましょう(筆者の個人的嗜好も含まれます)。
〇ウナライオン

アンティークコインの中でも特に有名なコインがこの「ウナライオン」です。1839年にイギリスで発行されたウナライオンは発行枚数400枚と希少価値も高く、現在では1,000万円以上の価値があります。
この、アンティークコインとしての希少性もさることながら、上の画像のようになんといっても美しい。表は、当時イギリス女王に即位したばかりの、ヴィクトリア女王。裏面にはイギリスを代表する長詩「妖精の女王」に出てくる、ウナ姫とライオンが描かれています。
入手は困難かもしれませんが、アンティークコインに興味を持ったのであれば、死ぬまでに一度はこの目で見てみたいコインの1つです。
〇雲上の女神

1908年にのみフランツ・ヨーゼフ1世に皇位60周年を記念してオーストリアで発行された金貨で、特にプルーフコインは発行枚数も分からない、非常に貴重なアンティークコインです。
表にはフランツ・ヨーゼフ1世が、裏面にはフランツ・ヨーゼフ1世の妻エリザベートが雲の上に乗って微笑んでいます。エリザベートは、このコインが発行される1898年に無政府主義者のイタリア人に殺害されています。
この1枚のコインだけでも、数多くの歴史を感じることができます。
〇インディアン・ヘッド

人気のインディアンヘッドのアンティークコインです。1907年に発行されたインディアンヘッドの10ドル金貨はコインの縁が細くなっているワイヤーリムの発行枚数が500枚(写真)。縁がロールしているロールドエッジが発行枚数43枚と非常に貴重なコインです。
価格も3,000~5,000万円以上と非常に高価になっています。
〇セントゴーデンズ

1927年発行の20ドル金貨です。発行枚数は180,000枚と希少で、さらに表面の1927の数字の上に「D」のマークが付くコインはデンバー製造を意味します。Dマーク付きのセントゴーデンズはMS66で世界に5枚しか確認されていない非常に希少なレアコインとなり、価格は億単位になります。
一方で、Dマークの無い通常のセントゴーデンズは、30万円前後で取引がされています。デザインも洗礼されていますので、アンティークコイン収集を始めるのであれば、ぜひとも一枚持っておきたい種類のコインです。
〇ドレープドバスト スモールイーグル

1795年から1797年にかけて発行された10ドル金貨です。写真は、葉っぱの輪っかを加えたイーグルが裏面に描かれている「スモールイーグル」というタイプです。こちらも希少価値が非常に高いレアコインで1億円以上の価格が付いています。
1797年から1804年の間に発行されたドレープドバストは、裏面のイーグルのデザインが変わり「ヘラルディックイーグル」と呼ばれています。
アンティークコインの鑑定会社
このように、非常に高価にもなってくるアンティークコインの価値を決めるために「本物であるかどうか」を証明することは当然ですが、「コインの状態がどうであるか」ということを証明することが大事です。しかし、いくつもの鑑定先が存在しており、鑑定機関によって鑑定結果がバラバラになってしまうと、鑑定会社の意味がなくなります。
お伝えのように、アンティークコインは数百~数千万円するほどの高額なコインも数多くありますので、鑑定会社の信用が何よりも大切です。そこで、アンティークコインを鑑定する会社は以下の2社がほとんどになりますので、アンティークコインを購入・販売するのでしたら、以下の鑑定社2社は覚えておくようにしましょう。
〇NGC
NGCは、これまで過去に2800万枚以上のコインの鑑定実績のある、信頼のおける鑑定会社です。コイン以外の鑑定も行っており、国立博物館などでの重要なコレクションの鑑定も数々こなしてきました。
〇PCGS
PCGSは、NGCよりも鑑定基準が厳しいと言われています。そこで、コインの高い評価を受けるためにあえてNGCで鑑定を依頼するコレクターも多いです。一方で、すでに鑑定を受けているコインでは同じPF66の評価でも鑑定が厳しいPCGSのコインの方が高値になる傾向にあります。
▼「PCGSアジア」
〇鑑定されたコインを判断するために知っておきたい記号
これら、鑑定会社から鑑定を受けたコインには、記号によって鑑定結果が表されます。最低限知っておきたい、鑑定を受けたアンティークコインの評価記号を覚えておきましょう。NGCもPCGSも同じ表記がされます。
表記 |
意味 |
PR/PF | プルーフ型:鏡面仕上げのコインのことで後ろの数字が付く。最高「70」 |
MS | ミントステイト型:PRと同じく最高70点で評価される。流通用貨幣 |
AU | 準未使用:ほとんど未使用と言っていいほど完璧な状態 |
XF | 極美品:ほとんど流通した形跡もなく、表面も美しいまま |
VF | 美品:表面状態に少々難あり |
F | 並品:くぼみや多数の傷が見られ、流通された形跡がある |
UC | ウルトラカメオ(NGC):プルーフコインの最上級グレード |
DCAM | ディープカメオ(PCGS) :プルーフコインの最上級グレード |
CA | カメオ:光沢があり、霜が降ったような白さ |
DM | ディープミラー:両面が反射率の高い鏡面仕上げ |
PL | プルーフライク:プルーフに近いが、反射率が低い |
アンティークコインが持つ4つの魅力
いかがでしょうか。アンティークコインがどのようなものかがお分かりいただけたでしょうか。日本ではまだまだですが、海外では富裕層をはじめとした多くの方がアンティークコインに魅了されています。
コチラでは、アンティークコインの4つ魅力をまとめてみました。
デザインが洗礼されている
まず、なんといってもコインのかっこよさや美しさです。上記でいくつか画像付きでアンティークコインをご紹介しましたが、どれもデザインが洗礼されているでしょう?世界中にコレクターも多いワケです。
さらに、本物の金貨ともなるとコインの90%以上は金でできていますので、大きさに対しての重厚感も違います。小さいながらも、そのインパクトは手に入れた人たちを魅了します。
希少価値が高い
そして、アンティークコインには希少価値があります。人は珍しい物をどうしても手に入れたくなるものです。「世界に○○枚」「○○年にどこの国で製造」「このデザインは○○年だけ」・・・アンティークコインには、そのような時代背景や歴史などの観点からもコインを集めるという楽しみがあります。
資産価値も高い
お伝えのように、アンティークコインには数百万円から数千万円などの、資産価値としても非常に高いコインが多いです。後述しますが、資産運用の方法の一つとしてアンティークコイン投資という方法があります。
さらに、今後年月が経っていくにつれ、市場に出回ってくるアンティークコインの数も減っていくでしょう。それだけ希少価値が上がりますから、それに比例して価値も上がっていくということです。また、通貨の変動による影響も受けにくい点もアンティークコインならではですね。
保有・管理がしやすい
そして、アンティークコインは手のひらサイズの最強の資産と言っても過言ではないでしょう。胸ポケットに数千万円を忍ばせることもできるのです。つまり、持つ運びや管理がしやすいのです。
実際、著者の知人にはお気に入りのアンティークコインを持ち歩いている人がいます。その人曰く「常に持っていると元気をもらえる」とのことです。また、アンティークコインには、不動産や高級車のように購入した時に面倒な登記などがありません。保有することも簡単なのです。
アンティークコインの購入方法
いかがでしょうか。アンティークコインが買いたくなりましたか?
嘘です。嘘です。笑
アンティークコインは、決して安い買い物ではありませんので、ご自身にとって無理のない段階で購入しましょう。この先の事や実は前々からアンティークコインに興味があった方のために、こちらの項目ではアンティークコインの購入方法についてご説明したいと思います。
ディーラーから購入する
まだまだ数は多くはありませんが、国内でもアンティークコインを専門で取り扱っているディーラーがあります。初めてアンティークコインを購入する方は、ディーラーから購入することをオススメします。
理由としては、やはり偽物や相場より大幅に高いコインを購入してしまうことを防ぐためです。
〇国内コインディーラーまとめ
ページの関係上一部にはなりますが、国内でアンティークコインを購入できるディーラーをまとめてみました。インターネットでも購入することも出来ますので、気になるサイトをご覧いただくのもいいでしょう。
▼ゴールドコイン
店長の石山幸二さんは、著書の出版やテレビ出演など、各メディアにも露出しています。アンティークコイン投資を日本に広めている人物の一人と言っていいでしょう。ゴールドコインのサイトは、各コイン動画やテキストでの詳しい解説がされていますので、コイン収集の知識を得ることにも役立てることができます。
▼ユニバーサルコイン
アンティークコインの販売だけではなく、コインの鑑定代行や販売代行(委託販売)も行っていますので、すでにアンティークコインをお持ちの方も利用しやすいかと思います。セールも定期的に行っていますので、狙い目のコインがないか定期的にチェックしてみましょう。
▼ワールドレアコイン
ヨーロッパやアメリカなどの人気のアンティークコインだけでなく、世界中のアンティークコインの品揃えが豊富なところがポイントです。まだまだ注目されていないコインを探してみたり、単に珍しいデザインだからとコインを選んでみても良いでしょう。
▼アンティークコインギャラリア(ナミノリハウス)
もともと「ナミノリハウス」という、サイトがアンティークコインギャラリアに移行しています。1900年代のスタンダードなアンティークコインだけではなく、古代ギリシャや1700年以前の古いコインの品揃えが豊富なところが特徴です。
▼JCC
こちらもすでにアンティークコインをお持ちのかたが出品できるサイトです。また、長年探していてもなかなか探し出すことができないコインも、要相談で見つけ出してくれるとのことです。
コインオークションで購入する
一方で、ディーラーでアンティークコインを購入する方法は、慣れてくると物足りないかもしれません。理由としては、手数料などである程度の相場よりも若干高めの費用が設定されることが多いからです。
欲しいものは手に入るかもしれませんが、「お宝発見!」というわけにはなかなかいかないのです。少し慣れてきたらコインオークションからアンティークコインを購入してみても良いでしょう。
〇コインオークションまとめ
▼銀座コインオークション
アンティークコインや古銭を取り扱って49年の老舗「銀座コイン」が主催するコインオークションです。開催は、毎年11月ごろに年1回と限られていますが、国内のコインオークションでも最大級と言っていいでしょう。
▼日本コインオークションネット
日本にまだまだアンティークコインが浸透していないこともあり、品ぞろえは豊富とは言えませんが、日本語で観覧できるコインオークションはありがたいですね。現在不定期で年に3~4回のオークションが開催されています。
ネットオークションで購入する
一方、「ヤフオク」などの大手国内オークションサイトでもアンティークコインが出品されていることがあります。思わぬお宝発見がある可能性もゼロではありませんが、正直言うと出品者の素性が知れないことも多いので、ネットオークションでの購入はあまりオススメではありません。ただ、毎日取引がされていますので、たまに覗いてみるのは良いかもしれませんね。
アンティークコインに関する書籍
今までご説明した、インターネットだけでは集めきれないようなコアな情報も本を1冊買うことでさらに深い知識を得ることができます。アンティークコインを購入する前に一冊お気に入りの本を読んでみるのもいいでしょう。こちらでは、アンティークコインに関するいくつかの書籍をご紹介します(リンク先は全てAmazonに飛びます)。
近代世界コインのカタログ 第14版
アンティークコインのカタログとして日本語で書かれている本は珍しく、1850年から1964年までのコインはおおよそ網羅されています。アンティークコイン取集の入門編として持っておいて損はないです。
アンティーク・コイン&実物資産で手堅く運用する
アンティークコインについての本は、後述する投資観点で書かれたものが多いのですが、コイン商の方がアンティークコインを広める目的で書かれたものも多いのが事実です。しかい、こちらの本はFPの方が資産運用の一つの方法としてアンティークコイン投資について書いていますので、かなり参考になるかと思います。
コイン投資入門
ゴールドコインを運営する石山幸二さんが執筆した、アンティークコイン投資に関する書籍です。アンティークコイン投資の魅力をふんだんに伝えていますが、デメリットもある点もお忘れなく。
注目のアンティークコイン投資について
いかがでしょうか。以上がアンティークコイン収集についての内容でした。最後に一点、アンティークコインには、その希少価値から投資や資産運用の方法としても注目されています。こちらではアンティークコイン投資について簡単にご説明したいと思います。
趣味で楽しみながらコインを集め、それが後々の資産構築に繋げることもできるのです。アンティークコイン投資についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでいただくことをおすすめします。
アンティークコインは今後価値が上がる可能性大
お伝えのように、アンティークコインは、過去に発行された通貨や記念硬貨などのことを言います。その年にそのデザインで発行された枚数には数に限りがあり、今後減ることがあっても、増えることはまずないのです。
つまり、世の中にアンティークコイン収集を求めている人がいる限り、値段が上がっていくことも期待できるでしょう。これがアンティークコイン投資の本筋です。
例えば、上記で説明した『ウナライオン』のような人気のレアコインは、欲しい人も大勢おり、コレクターが大金を使ってでも入手しようとします。そうすることで、オークションに出品されるたびに価値が上がっていっていくのです。毎年、数百万円単位で落札価格が更新されて行っています。
ポケットに入れられる金融資産
そして、もう一点、アンティークコインが投資として優れているところが、持ち運びや保管が非常に簡単だということです。アンティークコインは、1枚で数百万円のものもありますが、まず保有することに税金がかかりません。
また、売買することに面倒な登記なども必要ないのです。わざわざ保管場所を確保したり、保管場所の温度や湿度などのメンテナンスに気を遣うこともありません。あるとしたら、小さすぎて紛失する心配くらいでしょうか。
それほど保管がしやすい高額な資産など世界中の“もの”を探してみてもそうそうあるものではないです。
まとめ
いかがでしょうか。今回はアンティークコインの魅力についてご説明してきました。ここまでお読みだということは、アンティークコインについてかなり興味を持たれていると思います。
アンティークコインと言っても、値段も種類も様々ですので、まずは無理ない範囲の金額で難しいことを考えず「好きな国」「好きな年代」「気に入ったデザイン」のコインを1枚購入してみてもいいでしょう。
ロボアドバイザー投資『ウェルスナビ』は、いくつかの質問に答えるだけであなたに適した投資先を選んで資産運用してくれます。投資初心者の方でも難しいことは考えずに分散投資をすることができます。貯金の代わりすちょっとずつ分散投資を始めてみてはいかがでしょうか?