ドルコスト平均法とは|メリット・デメリットと向いている投資法

ドルコスト平均法とは、資産を分割して定額で支払う投資の手法で、投資先の価格が安いときに多く買い、高いときに少なく買うことで高値掴みのリスクを避けることができます。特に投資信託や株式の積み立て投資ではよく出てくる手法の一つです。

証券会社も「リスクを軽減する方法」として、ドルコスト平均法の良い部分ばかりを押し出していますが、実際にはデメリットもあります。今回はドルコスト平均法について詳しく解説していきたいと思います。

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ドルコスト平均法とは?ドルコスト平均法の仕組み

それではさっそく、ドルコスト平均法とはどのようなものか説明していきます。ドルコスト平均法の概要は冒頭でもご説明したように、資産を分割して低額で支払っていく手法のことですが、もう少し深堀してみましょう。

購入単価が平均的になる

まず、ドルコスト平均法の説明に入る前に『定額購入』と『定量購入』について知っておきましょう。漢字で見れば分かるように

定額購入定量購入

定額購入=低額で購入するために購入数を調整する

定量購入=毎月決まった数を購入する。価格の変動で購入額も変動する

となっています。この、長期的に定額購入することをドルコスト平均法と言います。

安い時に多く買い、高い時に少なく買う

これによりドルコスト平均法は、必然的に安い時に多く買い、高い時に少なく買うようになります。上の図は、前項の表をそのまま図にしたものです。青線が価格、オレンジの棒が購入数です。

見ても分かるように、価格が下がったときに購入数が多くなっています。これにより、非常に安定的にかつ、高値掴みのリスクも少なくなるのです。

支払いの平均額は変わらない

定額購入ですから、最初に決めた購入額は変わることはありません。代わりに、価格の変動に併せて購入数が変わっていきます。例えば、平均価格1,000円の金融商品を1年で12万円分購入するとしましょう。

定量購入の場合、毎月10口づつ買っていけば、12万円の予算分ということになりますね。ドルコスト平均法では、購入額が毎月1万円の予算となります。なので、月々の価格変動によって購入数も変わります。

価格(平均1,000円) 定額購入(購入数) 定量購入(購入数)
1,050 9.523809524 10
1,200 8.333333333 10
950 10.52631579 10
900 11.11111111 10
900 11.11111111 10
1,000 10 10
1,200 8.333333333 10
950 10.52631579 10
1,100 9.090909091 10
1,050 9.523809524 10
800 12.5 10
900 11.11111111 10

合計購入数

121.691 120

平均購入価格

986.102 1,000

ドルコスト平均法でリスクは軽減できるのか?

このように、定額購入することで支払いも安定的になり、上の表のように、合計購入数と1口あたりの購入単価も下がってくるドルコスト平均法です。ドルコスト平均法を取り入れている金融機関でも『リスクを下げられる』と大々的に言及していますが、実際にリスクは下げられるのでしょうか。

結論を言いますと、確かにリスクを軽減することができます。しかし、大きなチャンスを失う可能性も出てきます。それでは、以下でドルコスト平均法のメリット・デメリットを見てみましょう。

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ドルコスト平均法のメリット・デメリット

ドルコスト平均法は、リスクを軽減できるメリットがありますが、その分大きなリターンの機会損失をする恐れもあります。以下で、ドルコスト平均法のメリット・デメリットをまとめました。

ドルコスト平均法のメリット

ドルコスト平均法のメリットには、大きく以下の2つがあります。

高値掴みをするリスクを下げられる

お伝えのように、ドルコスト平均法では高値掴みのリスクを大幅に軽減することができます。高値掴み(たかねつかみ)とは、価格が高い時に購入してしまい、その後値下がりをして損をしてしまうことです。

投資で損をしてしまう要因の大きな一つがこの高値掴みですから、そのリスクを軽減できることは大きなメリットですね。

感情に左右されない

ドルコスト平均法のもう一つのメリットは、購入価格が変動しないことによる感情の安定です。実は、投資を失敗に導く大きな要因として、投資家の感情によるものが大きいのです。例えば、現在あなたが持っている銘柄の株価がグングン上がっていったら、どう思いますか?

もう少し待っておこうと、思うと同時に「今がチャンスだ。もっと買え」と思うこともあるでしょう。これが感情のブレです。本来使うはずのない資金にまで手を出してしまい、さらに今後の値動きに一喜一憂してしまいます。

さらに、投資一本で食っている人も少ないでしょうから、本職にまで影響を及ぼすことが考えられます。その点、ドルコスト平均法は、購入価格が一定ですので、一喜一憂することなく投資を行うことができます。

ドルコスト平均法のデメリット

一方、ドルコスト平均法のデメリットには以下のものがあります。

相場が一方的に動くと損をする

ドルコスト平均法では、あくまでも値動きがジグザグに動く場合に有効です。もしも、今後価格が一方的に値下がりしたり、値上がりするような銘柄の場合、ドルコスト平均法には適していないのです。

もちろん値動きを予測することは並大抵のことではありませんし、投資の世界に絶対というものはありませんが、今後上りが期待できるような銘柄がある場合、価格が高騰する前に早い段階で多く購入していた方が良いです。

一方、値下がりが続く銘柄の場合、ドルコスト平均法によってドンドン購入していきます。ドルコスト平均法の機械的な性質上、このような一方的な値動きにはめっぽう弱いのです。

底値で買うことができない

ドルコスト平均法では高値掴みのリスクを軽減できますが、上記と関連して、底値で多く買うことはできません。リスクを軽減する代わりに、リターンも少なくなってしまうのですね。

投資の感覚が湧かない

投資の経験が浅い投資初心者の方には、このドルコスト平均法はオススメです。慣れないことで一喜一憂することなく投資をおこなえるからです。しかし、ある程度投資の経験が増えてくると、ドルコスト平均法では物足りなくなってくるでしょう。

上記のように、値動きで多く買ったり、売却したり、大きく勝負に出る投資の醍醐味が薄れます。ドルコスト平均法は、自転車の補助輪のようなもので、ある程度投資になれてきたら、手放してみても良いですね。

ドルコスト平均法に向いている投資方法

いかがでしょうか。ドルコスト平均法の仕組みやメリット・デメリットが分かったところで、どのような投資がドルコスト平均法に向いているのかをご紹介します。

積立投資

ご説明のように、ドルコスト平均法は、長期投資を行うための手法ですから、長期的に積み立てていく投資方法にピッタリです。しかし、ご説明のように、一方的な値動きをする銘柄で使うことは止めましょう。

徐々にゆっくりと値上がりはしていくものの、比較的に安定している金融商品との相性が良いです。具体例を挙げるなら

  • 投資信託(バランス型)
  • インデックスファンドやETF(上場投資信託)
  • 値動きが安定している株の銘柄

などがあります。繰り返しますが、徐々に右肩上がりになっていく、比較的に安定している銘柄を選びましょう。

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変額保険

変額保険は、保険料の一部が株や債券などで運用されます。投資での利益は解約返戻金に反映されます。イメージとしては、死亡保障がついた投資信託のようなものです。こちらも比較的に安定しているので、ドルコスト平均法を利用することでさらにお得になっていくでしょう。

仮想通貨をドルコスト平均法で積み立てる取引所も登場

ここ最近何かと話題の仮想通貨ですが、ドルコスト平均法によって仮想通貨を積み立てることができる取引所も登場しています。Zaifの『Zaifコイン積立』です。

仮想通貨の世界は値動きが激しく、長期的な視点で見れば大きく価格を伸ばしているのですが、ここ数ヶ月は値動きも落ち着いてきた感じはあります。とは言っても、1日で数%平気で価格が動くので、著者もかなり感情が揺さぶられました。

「仮想通貨には興味があるけどリスクは極力避けたい」というような方は、ドルコスト平均法による積み立てができる『Zaifコイン積立』から始めてみてもいいと思います。

ドルコスト平均法に向いていない投資

一方でドルコスト平均法に向いていない投資方法もあります。

FX

為替の値動きは、基本的にジグザグで一方的にどこかの通貨が大きく変わることも少ないです。しかし、為替の売買によって収益を求めるFXでは、ドルコスト平均法を必要とする長期投資には向いていないのです。

急激な右肩上がり(右肩下がり)の金融商品

今後一方的な値動きをしそうな投資先への投資も向いていません。あなたの中で「この投資先は今後伸びていくだろう」という期待値が高いようであれば、ドルコスト平均法ではなく、早い段階で投資資金を投じた方が大きな利益を得ることができる可能性もあります。

ドルコスト平均法とバリュー平均法・ナンピン買いの違い

最後に、ドルコスト平均法に似たものに『バリュー平均法』と『ナンピン買い』がありますので、こちらでご説明していきます。知っておくことで、ドルコスト平均法でのデメリットをカバーできることもあります。

バリュー平均法との違い

バリュー平均法は、ドルコスト平均法と同じく「安い時に多く買い、高い時は少なく買う」と同じ手法ですが、さらにそれを強化したようなものとなります。大きな違いは、値上がりして利益が出た場合は『売る』ことがされる点が挙げられます。

これにより、値上がりによる利益を確保しておくことが可能です。その利益でさらに購入額を上げていくこともできますので、ドルコスト平均法よりも効率の良い手法だと言えるでしょう。

ナンピン買いとの違い

ドルコスト平均法のメリットに、感情に左右されないという点がありました。その反面、投資の醍醐味でもある「安く買って高く売る」ことができないことがデメリットでもありましたね。

その投資の醍醐味でもある「安く買って高く売る」をひとつひとつ手動で行うことがナンピン買いです。ナンピン買いは、長期投資を目的としておらず、安値になればすかさず購入していきます。もちろん、その後も値下がりが続けば損をしてしまうリスクも高まりますね。

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まとめ

いかがでしょうか。ドルコスト平均法は、主に投資の初心者が時間を分散させて安定的に投資商品を購入し続けていくための手法です。積み立てることで、少額からでも投資を始めていくこともできますので、ぜひ、今回のドルコスト平均法を覚えておきましょう。

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