イーサリアムは、柔軟で自動化された契約(スマートコントラクト)や柔軟に財産を扱うことができる仮想通貨で、ビットコインに次ぐ時価総額を誇ります(2018年4月時点で約5兆円)。
様々なICO通貨のプラットフォームとしても注目を集めている仮想通貨。年始以降の仮想通貨市場の下落から一転し、イーサリアムも再び価格を上げ始めていますが、一般の方がイーサリアムを手に入れたいとなれば仮想通貨の取引所から購入することがほとんどでしょう。
今回は、イーサリアムを購入できる取引所のご紹介とそれぞれの特徴を解説していきたいと思います。
『Zaif』は、国内取引所で“取引所”としてイーサリアムが注文できる数少ない所です。余計なスプレッドがなく格安でイーサリアムを手に入れることができます。少し使いこなすことに慣れが必要かもしれませんが、慣れさえすれば初めての方でも使いこなすことができるでしょう。
イーサリアムが購入できる取引所|特徴とおすすめの人
そんなイーサリアムを取り扱っているおすすめ国内取引所を5つご紹介します。
それぞれの特徴をお伝えしていきますが、まずざっと各取引所の特徴をまとめてみると以下の通りになりました。
手数料 (★スプレッド) |
通貨種類 | 会社規模 (資本金) |
使いやすさ | |
Zaif | メイカー0% テイカー0.1% |
5種類 (トークン9種類) |
27憶5,513万円 | △ |
ビットバンク | 無料 | 6種類 | 11億3,100万円 | 〇アプリあり |
GMOコイン | ★約7% | 5種類 | 17憶5,800万円 | 〇アプリあり |
ビットフライヤー | ★約7% | 7種類 | 41憶238万円 | ◎アプリあり |
コインチェック | ― | 13種類 | 1憶円 | ◎アプリあり |
※赤:取引所/青:販売所
※2018年6月8日時点
※ランキングと採点は個人的な主観です
※リンク先は各取引所の説明部分に飛びます
取引所と販売所の違い
それぞれの取引所のご紹介をする前にとても大事なことなのでお伝えしておくと、一般的に取引所と呼んでいる仮想通貨の交換業者には、厳密には『取引所』と『販売所』の2種類に分かれます。


簡単な特徴を説明すると、上のようになります。
取引所は、利用者が具体的な金額を指定することもできますので、買価と売価の差額(スプレッド)がそこまで生じません。しかし、販売所は業者が価格を決めているので、利用者は高く買って安く売ることになります。
ズバリ言うと、イーサリアムなどのアルトコインは、スプレッドも大きくなりやすいので取引所からの購入がおすすめです。
それらを踏まえて、それぞれの取引所(販売所)の説明を見ていきましょう。
Zaif(ザイフ)|取引所

〇手数料など
取引手数料 | メイカー0% テイカー0.1% |
出金手数料 | 50万円未満の出金:350円 50万円以上の出金:756円 |
〇特徴
サイト・スマホともに少し作りが難しく、初心者の方は少し使いこなすのに時間がかかるかもしれません。
しかし、Zaifは取引所なので手数料を抑えてイーサリアムを購入することができます。その他アルトコインやトークンも特徴的なものを取り扱っているので、気になる方は利用してみましょう。
〇おすすめの人
- 取り引き頻度が多い人
- 仮想通貨の取り引きに慣れてきた人
bitbank(ビットバンク)|取引所

〇手数料など
取引手数料 | 無料 |
出金手数料 | 3万円未満の出金:540円 3万円以上の出金:756円 |
〇特徴
ビットバンクは取引手数料が安く、指値注文ができるところが高ポイントです。サイトの作りもシンプルで分かりやすく、最近ではスマホアプリもリリースされさらに使いやすくなっています。
国内では数少ないアルトコインの取引所ですので、初心者やすでに他の口座をお持ちの方にもおすすめです。
ただ、残念なことにビットバンクでは、イーサリアムはビットコインとしか交換できません。一度ビットコインを購入・送金した後にイーサリアムに換える手間があります。
〇おすすめの人
- アルトコインを購入する人
- 手数料を抑えたい人
GMOコイン|販売所

〇手数料など
スプレッド | 約7% |
出金手数料 | 無料 |
〇特徴
手数料は非常に分かりやすくほとんどが無料でできます。大手ならではの安心感も大きいですね。
ツールも使いやすく、まだまだ開設されて日が経っていないので主要なコインしか購入できませんが、今後も期待できる取引所の1つです。
ただ、販売所形式になっており、スプレッドが大きくなりがちなので注意が必要です。
〇おすすめの人
- 仮想通貨投資の初心者
- GMOの他のサービスを利用されたことがある方
同じグループで運営されていますので、やはりGMOクリック証券などを利用されたことがある方は一番のおすすめですね。ツールも使いやすいので、初心者にもおすすめです。
bitFlyer(ビットフライヤー)|販売所

※ビットフライヤーは現在新規登録に制限がされています。
〇手数料など
▼スプレッド
約7%
▼出金手数料
3万円未満の出金 | 3万円以上の出金 | |
三井住友銀行 | 216円(税込) | 432円(税込) |
三井住友銀行以外 | 540円(税込) | 756円(税込) |
〇特徴
ビットフライヤーは販売所形式でスプレッドが広いのですが、スマホ対応もしっかりしており、売買もしやすいです。初心者のお試しには良いでしょう。
使い勝手は良いのですが、手数料や知名度から最近参入してくる大手企業や取引所に押され気味の印象です。スプレッドの改善を望んでいます。
〇おすすめの人
- 長期保有目的の方
- 仮想通貨を初心者の方
繰り返しますが、スマホアプリはとても使いやすく、初めての方でも使いやすいです。
しかし、スプレッドが高めなので、頻繁な取り引きをしていると損してしまうことも考えられます。セキュリティー面に力を入れていますので、長期保有をするのであればおすすめです。
Coincheck(コインチェック|販売所

※現在、コインチェックではイーサリアムの購入及び新規登録に制限がされています。
〇手数料など
スプレッド | ー |
出金手数料 | 400 円 |
〇特徴
使いやすさと見やすさがコインチェックの最大の魅力です。登録してからイーサリアムを購入するまでも簡単にできることができるでしょう。また、スマホアプリが非常に充実しており、超簡単にチャートのチェックや価格の推移をチェックすることができます。
イーサリアム以外の仮想通貨も豊富に取り扱っており、チャートを見ること自体が楽しくなりますね。反対にスプレッドが若干高めですので、頻繁な売買には向いていません。
〇おすすめの人
- 仮想通貨購入が初めての人
- イーサリアム以外の取引もする人
このような方はコインチェックへの登録をおすすめします。と言うより、本当にスマホのチャートが便利なので、チャートを見る用だけでも登録することをおすすめします。
取引所でイーサリアムを購入する手順
お気に入りの取引所を1つ決めたのであれば、実際に登録して、イーサリアムを購入してみましょう。
今回は、手数料を安く抑えることが出来るZaifからの購入方法と、使いやすくてカンタンなコインチェックでのスマホアプリからの購入方法を図解で解説していきます。
Zaifからの購入方法
〇本人確認の完了
まず、取引所から仮想通貨を購入するには、本人確認を済ませておかなければなりません。少し面倒くさいと思うかもしれませんが、不正や犯罪を防止するためのものですから、きちんと済ませましょう。
〇購入資金の入金
本人確認完了後は、イーサリアムを購入する資金をZaifに入金しましょう。入金方法や手数料については以下の記事を参考にしてください。
〇イーサリアムを購入
入金が反映された後は、いよいよイーサリアムを購入していきます。
- の『取引』をクリックすると上の画面になります。
- で通貨ペアを選択しましょう。『ETH/JPY』『ETH/BTC』がイーサリアムです。
- 指値か成行の選択。指値は購入したい価格が自分で決められて、成行は相場で決まります。
- 1ETHの希望価格をこちらに入力
- 欲しいETHの枚数を入力。小数点も可能です。
- 入力が完了すればこちらで注文確認→確定。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば簡単です。実際に触ってみましょう。
コインチェックスマホアプリからの購入方法
コインチェックでは、現在イーサリアムの購入及び新規登録が制限されています。しかし、同じ販売所形式のGMOコインやビットフライヤーでも同じ要領で購入することができますので参考にしてください。 |
〇本人確認を完了させる
コインチェックでも同じく本人確認を完了させましょう。
〇日本円やBTCを入金
本人確認が完了したら、実際にイーサリアムを購入する日本円やBTCを入金しましょう。
〇イーサリアムを購入する
コインチェック内に購入資金が反映されたら、いよいよイーサリアムを購入していきましょう。コインチェックではスマホでも購入が可能で、ホーム画面左上のメニューボタン(横棒3本)をタップすると下のような画面が出てきます。

『コイン購入』をタップ
↓

コインの種類を選択する項目に移りますので、『Ethereum』を選択します。
↓

下にスクロールすると、イーサリアム購入数を入力する画面があります。
- ビットコインと日本円の残高が表示
- 残高不足だとこのように表示
- イーサリアムの数量を入力
- 数量に対する購入額が表示
このように表示されますので、購入金額に問題がなければ『購入する』をタップしてください。これで購入できました!
イーサリアムとは|イーサリアムの簡単な特徴
こちらでは、イーサリアムがどういった仮想通貨なのかを簡単に解説いたします。すでにご存知の方も多いでしょうから、こちらも項目は読み飛ばして頂いても構いません。
イーサリアムの価格と時価総額
- 時価総額:第2位(約5兆6,000億円)
- 通貨単位はイーサ(Ether)=ETH
- 1ETH=約57,000円(2018年4月現在)
2017年はビットコインの分裂騒動で何かと騒がれた仮想通貨市場でしたが、イーサリアムもその影響を受け、7月は1ETH=25,000円前後を推移していました。
さらに年末の仮想卯通貨市場の大高騰により一時17万円ほどの価格を経てからの下落、2018年4月現在また価格上昇を見せています。
時価総額は約5兆6,000億円。これは、日本企業で言えば日本郵政や任天堂などと同じくらいの規模になります(企業と比較するのはちょっと違うかもしれませんので参考程度に)。
アプリケーション作成用のプラットフォーム
イーサリアムは、厳密にいうと仮想通貨そのものではなく、アプリケーション作成のためのプラットフォームです。そのプラットフォームで使われる仮想通貨をイーサ(ETH) といい、このイーサが売買されています。
イーサリアムのブロックチェーンは非常に柔軟に作られているため、様々なアプリケーションに対応することができます。
〇ICOが急増
イーサリアムの価格が高騰した2017年にはイーサリアムを利用したICOが急増しました。仮想通貨でのクラウドセールの事で、「独自トークン」と呼ばれる仮想通貨を発行して販売することで資金調達する方法です(未公開株のようなもの)。
このように、イーサリアムの柔軟なプラットフォームが様々なシーンで利用されていくことが今後も考えられます。
ただ、現在はICOに関する詐欺や不誠実な対応をする企業も少なくないため規制が厳しくなっています。クリーンな市場になっていくことを切に願います。
イーサリアムのチャートと価格推移
最後に、イーサリアムのチャートについて簡単におさらいしていきましょう。『今すぐイーサリアムが欲しい!』という方もいるでしょうが、仮想通貨の世界はボラリティ(価格変動)が大きく、買ったタイミングによってはなかなか利益が出ずにマイナスになってしまうこともありますからね。
|2017年夏〜2018年4月.png)
①2017年7月〜11月|1ETH=約35,000円前後で安定
スケラービリティ問題とビットコインの分裂問題での50.000円到達目前での下落から、この時期には約35,000円前後の価格で安定します。
9月にはメトロポリスの開発スケジュールに関しての好材料になりそうな発表などがあったのですが、そこまで関心がない投機目的の方が多かったのか価格には影響をほとんど与えませんでした。
②2017年12月〜2018年1月上旬|1ETH=約170,000円まで大高騰
2017年年末から2018年仮想通貨全体としては軒並み価格が上がっていく中、イーサリアムも同じく価格を高騰させていき一時1ETH=17万円を超えました。
仮想通貨の認知度が上がり、投資に参入する一般の人たちが増えた事が一番の要因ではないかと思いますが、ICO案件の増加なども後押しし過去最高価格に到達しました。
③2018年1月下旬〜3月|高騰からの下落
年が変わって仮想通貨界隈ではどちらかというと悪い出来事が多く、この時期に大きく流れが変わりました。理由としては以下の3つの出来事が主に大きかったのではないかとみられています。
▼国内大手取引所コインチェックからネム(NEM)580億円分流出事件
記憶にも新しい事件ですが、流失事件の今まで一番大きかったマウントゴックス事件(事件当時470億円相当)をはるかに上回る事件が起こりました。
後述で詳しく解説しますが、コインチェックユーザーの資産凍結や、仮想通貨全体のイメージダウンや信頼性の低下に繋がり、仮想通貨のユーザー離脱が多くあったと考えられます。
▼1月16日韓国の仮想通貨の規制
2018年1月16日に韓国で仮想通貨の規制が行われました。昨年9月に行われた中国の規制の際にも、「中国規制=中国人のユーザーが多く仮想通貨から離脱→ユーザーが減り、下落する」と考える人の多さなのか、仮想通貨全体で大きな下落ムードになったことがありましたが、今回の韓国の規制に関しても同じような流れで下落したことが予想されます。
しかし過去の規制は完全な禁止ではなく、ルールを定める事や見直すというところが大きいようです。簡単に説明すると、偽名でやっているユーザーや未成年で登録している人以外は基本的にはそのまま取引が可能で、日本では既に当たり前のようにやっている身元確認などの規制を、韓国はやろうとしてるだけなんです。
▼USテザー問題
一月末に仮想通貨のUSテザーに関する疑惑が大きく取り上げられました。
簡単に説明すると、アメリカの会社が独自発行している通貨が「USテザー」というもので、法定通貨である「米ドル」の価格に連動していることを謳っていて、法定通貨並みの安定感があるという触れ込みでした。
投資家達はドルなどの国家の法定通貨で仮想通貨を購入する事に規制が入りやすいことから自国の法定通貨から→テザーを購入→仮想通貨を購入するなど、テザーが仮想通貨と違い「国家通貨と同じ価値」という根拠に規制をくぐり抜ける手段としても使われていたようです。中国などの仮想通貨の規制されている国でも便利に使われていました。
そんなUSテザーですが、発行額に相当する米ドルを保有していないのではないか?という疑惑で、この疑惑が本当だとなると信頼性が崩れ仮想通貨全体の市場崩壊にも繋がるという問題が起こります。
この不安や不信感から相場に大きく影響を与えたとみられています。
これらの出来事が重なり、この時期はイーサリアムだけでなく仮想通貨市場全体に大きく下落の流れを作ったとされています。
このようにチャートの動きには理由やその時の出来事が大きく影響していますので投資されている方や、これから投資される方に関しても必ず参考にしてみてください。
更にイーサリアムの歴史や2017年夏以前のチャートの解説などは下記リンクにまとめてみましたので詳しく知りたい方は是非ご覧ください。
まとめ
今回はイーサリアムの取引所をメインにご紹介させていただきました。簡単に各取引所のレビューをすると
▼Zaif
手数料が抑えられるので頻繫に取引をする人向け。使いこなすのがちょっと難しい。
▼ビットバンク
手数料の安さとチャートのカスタマイズ性が魅力。ビットコインとの交換のみ
▼GMOコイン
大手GMOグループ運営の仮想通貨取引所。初心者からFX経験者まで幅広くおすすめ。
▼ビットフライヤー
メインがビットコイン、イーサリアム、ライトコイン。セキュリティ面が不安な方におすすめ。
▼コインチェック
とにかく使いやすい。見やすい。手数料高いけど長期保有する人なら気にならない。
あくまでも著者の一考えでしたが、気になる取引所を使って見てください!今後もイーサリアムには期待しています(著者も投資している)ので、引き続き調査していきます。